現代の若者たちに日本人であることへの誇りなどを多くの人々に尋ねてみますと、日本刀を帯刀する武士たちのような崇高な精神を持った日本人のイメージを掲げる方がいるようです。現代を生きる日本人にとって礼儀を重んじる武士たちの姿というのは、特別のものとして語り継がれているのかもしれません。彼らの多くは「武士道」として、人や社会に対する正義や礼儀を大切に生きる術を学んでいたようです。剣術に励む姿は己の弱さと対局するためであり、決して弱い者たちを力で制しようといったもくろみを企てるような人々であったワケではないようです。そもそも武士のように、日本刀を帯刀する日本人の姿は、いつごろからみられたのでしょうか。奈良時代に制作された日本の歴史書でもある「古事記」「日本書紀」にも、刀剣が登場いたしますが、神話に出てくる神々や人物たちは現代の人々がイメージする武士たちの姿とは、大きく異なった日本人の姿をあらわしているようにもみえます。