刀剣書の価格番付

江戸時代につけられた格付けはほぼ今日まで大きな変動はない。値段もその位列にしたがって決まっていくのである。あくまでも昔からの位列が中心となる。ところで無銘の刀や位列に番付に掲載されていない刀工の場合は、つくられた時代、場所、流派などを総合して決定する。以上が刀の価格の一応の基準である。この基準をもとに物価の上昇、他の古美術品などとの釣り合いなどを勘案しながら現在価格というものがはじきだされるのである。刀剣書には価格番付というものがついている。これに記載された価格は現実に即していない

”花相場”といおうか、高く付けられているから、刀屋がこれを利用し、初心の客に高値で売り付けると非難する人もいる。しかし、この価格は位列どおりに高低が付けられている。全体に高値になっていたとしても下位の刀工を高く、上位の刀工を安く付けてはいない。したがって初心者にとっても刀工価格の一つの目安になることは間違いない。