国際化する日本刀文化

最近は日本刀について深く学ぼうとする外国人が増えています。彼らは本を読んだり美術館で鑑賞したりするだけでは飽き足らず、刀匠の下で修業しながら日本刀の本質に触れようとしています。その意気込みは日本刀の魅力を知って起こるものであり、今更ながら一瞬にして外国人を虜にする日本刀の魔力に驚かされます。海外ではmusashi miyamotoといった具合に翻訳本が発売されていますから、日本刀の美術的価値だけではなく、武士道や日本人の精神まで含めた理解が進みつつあります。それが一層日本刀を輝かせ、外国人に関心を抱かせているのだと想像できます。刀匠の下で学んだ外国人は帰国すると、自国で積極的に日本文化を紹介してくれます。それは日本にとって大変ありがたいことではないでしょうか。さて、日本刀はそれなりに学ばないと、真の凄味、魅力を理解するのは難しいですから、審美眼の育成方法についてはここでは述べません。その代りに、日本刀に関する豆知識をご紹介したいと思います。豆知識の一つ目は、廃刀令によって刀剣はどうなったのかについてです。廃刀令は明治維新で制定されましたが、決して政府が刀を取り上げたわけではありません。単に帯刀を禁じたまでです。ですから同法が施行されてしばらくは自宅に所持する人が大勢いました。しかし元武士の窮状は酷くなる一方でしたから、結局売り払う人が急増し、その所在が不明になるケースが後を絶たなかったと言われています。