伝説として描かれる刀たち

古くに書かれたものとしては、古事記や日本書紀にも刀が登場しています。これらは「十束剣(とつかのつるぎ)」と記されているそうです。束というのは、握り拳がひとつ分ほどの長さを表す単位で、これは剣の長さを表しています。十握剣、十拳剣などと表記されることもありますが、すべて同じ意味と考えて問題ありません。十束剣、つまりは握り拳10個分ほどの大きさで、75センチ程度を指しています。これは刀としては長めで、刀種は太刀となります。見た目としても、印象的な剣だったと言えます。十束剣についての物語は多くあります。十束剣を波の上に逆さに立て、その上に座って「国を護れ」と言い放った神の話。天照大神の弟である須佐之男命が、ヤマタチノオロチを退治した時に使った剣が十束剣だったなど、さまざまな種類があるようです。